2019年05月

 どうも、管理人です。またしても間隔が空いてしまい、誠に申し訳ないです。で、申し訳なさついでに言わせてもらうと、今回はアニメ感想じゃなかったり(一応、アニメ感想ブログっていう名目なのにw)


 そんなわけで、本日の更新ですが、今月に入ってから舞台の観劇が続いてるので、まとめて感想を書こうかなと。ほぼほぼ会期終了になっていて、宣伝にならないってのがちょっと勿体ないですけど、そこは勘弁と言うことで。


1.舞台 やがて君になる
 まずは1本目。こちらはGWまっただ中に会期が始まって、本日千秋楽を迎えた公演でした。管理人は5/4に当日券で見てきました。で、内容に関してですが、アニメ化もされているタイトルなので、今さら説明も不要かなとも思ったりもしたのですが、簡単に解説を。メインとなるのは、「好き」という感情が分からない高校一年生の侑 と、一見完璧超人だけどどこか掴みどころのない高校三年生の燈子 の二人で、この作品自体は二人の変化と、彼女たちが彼女たらしめる「自分」になるまでを描いた話となっています(あくまでも、個人的な解釈です)。
 で、この作品で一つ、大きな要素として描かれているのが、女の子同士の恋愛・・・俗な言い方をすれば「百合」という点でしょうか。ぶっちゃけ、舞台を見に行くにあたって、ここがいろんな意味でネックになるんじゃないかと言う危惧はありました。というのも、百合ってNLよりも描き方が難しいというか、より心情描写に繊細さが求められて、それをしくじると生理的に受け入れられないって可能性が高いわけで。ですけど、この作品に関しては、原作の時点でそこは一応クリアしていて、いざ舞台化するときにどこまでやれるのかっていうのが課題だったのですけど、まあ本当上手くやりましたね。この作品のオチといいますか、「やがて君になる」ってタイトルがどこにかかってくるかと考えた時、直前の生徒会劇での燈子先輩そのもの というのはもちろんとして、ラストシーンの侑にもかかっていて、そこを結びつけたのが「百合」という要素で、必然性は十分あったのかなと。

 そして、侑と燈子先輩にばっかり目が行きがちですけど、他のキャストさんもすごくいい演技をしていたなと。舞台ではちょっと割を食った沙弥香先輩にしても、原作よりも愉悦感マシマシで描かれていた槙くんにしても、そしてチャラさ全開の堂島くんにしても、原作と舞台、立っているステージは違いますが、それでも確実にシンクロしていて、これが作品世界そのものだなと思わされる雰囲気を作っていたのは本当すごかったです。
 あと、見ていた時は全然気づかなかったんですが、侑の友人のこよみをやっていた方が、何か妙に聞いてて安心する声質だなと思ったら、A応Pのメンバーで、新人声優さんだったんですね。wikiで見ても、まだ出演作は少ないみたいですけど、なぜか納得した自分がそこに…。他にも声優として活躍されている方も何名かいたのに、それを感じたのがこの人だったのは不思議。まあ、そういうのも込みで、素晴らしい出来で、そのうちBD化されるらしいので、興味がある方はググって予約するのが吉です!


2.父、踊る
 一本目で大分長くなりましたが、ひとまず予定通り続けます。こちらは、声優の皆口裕子さんが主宰する演劇ユニット「ラーニング・ラパン」の最新公演で、演目としては2016年に上演されたものの再演という形になります。ちなみに、こちらは今週の金曜日にスタートして、今これを書いてる時点であと2日間公演が続くので、もし興味を持っていただけたら、中目黒のウッディシアターに足をお運びいただけるとありがたいです。

 で、作品の話に戻すと、とある一家の父親と4人の娘たち、それを取り巻く人々を描いた作品になっていて、ざっくりと内容を説明すると、「家族」とか「夫婦」とか、そういう繋がりを描いた話でした。あえて、ネタバレを極力排した書き方をするとすごい難しい…いや、仮にネタバレ全開だとしても難しいんですが、とにかく「理屈ではない」んですよね、こういうのって。例えば、夫婦げんかが絶えない夫婦がいたとして、奥さんが度々実家に帰ってきていて、その度に旦那さんが迎えに来ていて、でもすぐにまた喧嘩して…(以下エンドレス) という状況を、果たして夫婦仲が悪いと取るか。例えば、一見円満な家庭に見えて、でも喧嘩の一つもしたことのない夫婦を理想的と言えるか。それらはぶっちゃけ明確に答えが定まってるものではないのですけど、そういう小さな問題というのはどこの家庭でも抱えていて、それを一つ一つ乗り越えていくことで「家族」になっていく、そういうものだと思います。本作の場合ですと、そこに加えて、これから新たに家族になっていくカップルという視点、さらにそれを乗り越えて、男手一人で娘たちを育て上げてきた父親という視点が加わって、非常に分かりみが深い。いや、そんなこと言っても、管理人自身に全く経験がないので薄っぺらく思えるかもしれませんけど、でも分からなくても、それを考えるだけで思わぬ泣けちゃうわけで。それこそ、一見してわかるわからないを問わず、それぞれ抱えている問題を、それぞれの答えで乗り越えていく姿だったり、経験の差で解きほぐしていくお父さんの言葉がすごく胸に刺さる。
 しかし、この作品って、作中の時間に換算すると、ほとんどのシーンが一日の出来事に集約されていて、それを考えると情報量が半端ないんですよね。ざっくり説明すると、1話の中で三女が実家に出戻りして、次女も出戻りして、三女と次女の旦那が迎えに来て、お父さんが二人の旦那と酒を飲んで、四女が彼氏を紹介して、結婚の挨拶をして、長女がずっと抱えていた亡き旦那への想いを解きほぐして…これだけのイベントを一日の出来事として処理するテンポの良さがすっごい。実際、劇を見ながら、ふと思い返してみた時にびっくりしたくらいでしたし。まったくそれを感じさせないシナリオのクオリティの高さは、是非必見です。


3.舞台 ヤマノススメ
 最後がこちら。こちらも、本日千秋楽を迎えた公演となります。内容的には、原作及びアニメの中から細かく話を区切って、全7部で構成した もう一つのヤマノススメ という感じですか。これまた真面目な話をすると、舞台化の話を聞いたときはちょっと目を疑うほどで、どうやって落とし込むんだろうと思ったものですけど、いざ本番を迎えてみると、ちゃんと「ヤマノススメ」という作品世界を再現した内容になっていて、いい意味で誤算でしたね。特に、あおい役の高橋紗妃さんが出てきた瞬間から あおい になっていて、舞台の幕開けからすぐヤマノススメの世界に浸ることが出来ました。
 また、他のキャストさんにしても、基本的には作品のイメージに沿った役作りが出来ていて、時折アニメ版のキャストさんの演技だったりキャラそのものとシンクロするかのような錯覚を覚えるくらいでした。それでいて、作品舞台となっている飯能市をフィーチャーしていた聖地巡礼要素はちゃっかり入れながらも、上演時間をやや短めにして、且つ全体的にコミカルな内容に仕上げたってところが中々面白いところ。これは主観なんですけど、この舞台ってそもそも外から来る人に向けた内容でもあるんですけど、それ以上に地元の人にもっと作品を知ってほしい、楽しんでもらいたいって要素が強くて、現に客席には招待チケットをもらったと思われる子供連れとか年配の方がかなり多かったです。天覧山に置いてある交流ノートとかを見ても、明らかに子供が書いたと思われる書き込みもちらほらあって、飯能市民にとってもヤマノススメがすごい身近なものなんだなと改めて感じた次第です。

 あと、それ以外で言えば、今回落語家の人がキャストとして参加してたせいか、ギャグ要素と言うかコント要素が無駄にクオリティ高かったなと。その最たる部分が、第6部の誕生日会の話と第7部のマーケットの話で、話が微妙に噛みあわない系のコントが大好きな管理人的にはめっちゃツボでした。そのくせ、最後がギャグかと思ったら真面目な話で落としてきて、そこでもびっくりでしたよ…。

 まあ、とにもかくにも、今日で千秋楽だったということで、キャストスタッフの皆様に感謝とお疲れ様の意味を込めた感謝の言葉を書いて、この場を締めようと思います。良い作品に仕上げてくださって、本当ありがとうございました!!



 と、何か締めっぽく書いたものの、何かこれで終わらせると変な感じがするので、もうちょっとだけ書いて、記事を締めようと思います。思えば、すでにこの時点で去年見に行った本数を超えていて、いよいよ何クラスタの人か分からなくなってきましたが、とりあえず気持ちだけは今まで通りなので、どうかそのつもりで。次は多分いつもの感じで感想記事を書ける…かな?

 どうも、管理人です。年号が変わってから1日が経過して、ようやく令和一発目の感想となります。つか、自分で言ったことと言っても、更新頻度あげようとするとネタ探しがつらい!


 ということで、今回紹介するのは、MF文庫J より刊行されている「ライアー・ライアー 嘘つき転校生はイカサマチートちゃんとゲームを制するそうです」。作者の久追遥希さんは、第13回MF文庫Jライトノベル新人賞で佳作を受賞した「クロス・コネクト」でお馴染みの方で、本作が2作目となります。ちなみに、担当絵師は前作と同じく『きのこのみ』のkonomiさんということで、まあMFのいつものやつってことで。


 そんな話はそこそこに、感想に参ります。まず、本作の内容を簡単に説明すると、うっかり学園島最強の生徒に勝ってしまったせいで、偽りのトップを演じざるを得なくなった主人公:篠原 が、それをサポートするメイドの姫路や、実は偽お嬢様だった元最強こと西園寺 らとともに決闘(ゲーム)に勝ち抜いていく、そんな話になっています。前作の
「クロス・コネクト」が大枠として、一つのゲーム世界があって、それをクリアするという目的が在ったのに対し、本作は括り的にはもっと大きく、しかし一つ一つは細かく と言った感じで、読み応えとしては大分違った感じがしましたね。というか、モチーフとしてるものが前作と対極でして、ある意味ではシリーズ化を念頭に置いて話を作ってるのがより顕著になったシリーズかなと思いました。

 そして、作品そのものに関してですが、読んでて色々と既存の作品を影響を感じさせるところがありましたね。例えば、星の奪い合いって設定は「はやて×ブレード」、ゲームで序列が決まるというシステムは「賭ケグルイ」などなど。まあ、個人的に頭をよぎったのは、「エム×ゼロ」でしょうか。といっても、この作品は性質上、どうやっても正攻法での戦いじゃなくて、イカサマを前提とした戦いなので、その辺の作品からの読み味を想定すると何とも言えなくなるわけで。あえて言うなら、「ノーゲーム・ノーライフ」を比較的現実寄りに落とし込んだ結果とも。
 結局、何が言いたいって話をすると、前作における「綱渡りで細い糸を手繰り寄せるような勝ち筋」っていうのは健在なんですけど、一方で方法論が別物と。なので、非常に歯がゆい気持ちになるところもあります。が、イカサマによるサポートを受けてるとしても、主人公に余裕があるわけじゃないのと、あくまでも勝ちを取りに行く・そこに妥協はしない という姿勢を早々に表明しているので、主人公があまり嫌味に映らないのはプラス材料。ここは前作主人公と同様で、圧倒的に強いわけでなく、圧倒的不利からどうにか勝ちを拾っていくという縛りがよい方向に働いていると言えるかと。

それ以外の話ですと、ヒロインについて。一応本作ではダブルヒロインという形になるわけですが、いい意味でテンプレ的で自分は好きです。一見お嬢様だけど一皮剥けば全然そんなことはない西園寺、チート性能で口数は少ないけど身内思いの姫路、前作の春風がイマドキいないであろう良い子ちゃんだった分、やや現実的な方向に寄せてきたように思えますし、ギャップ萌えの破壊力よ…。特に、西園寺の素の状態がめっちゃ好きなわけで(語彙力)


とまあ、こんな感じですか。前作から好きな自分的には結構好きではあるんですが、続くかどうかは正直未知数。最近流行りの(?)ギャンブル系作品とはいえ、オリジナリティは低めで、癖も弱い。この中で、どこまで人気を勝ち取れるか。前作も、思い返せば小さくまとまった感が否めないので、シリーズ化を意識したときにどこまで突き抜けられるか、それ次第かと。

↑このページのトップヘ