どうも、管理人です。またしてもやらかして、ひと月分更新飛ばした…と思ったら、前回更新が地味にひと月分飛ばした仕様だったので、計算がずれてたw まあ、どっちにしても、ご無沙汰しております



 そんなわけで、今回の更新ですが、先日公開になった映画「人体のサバイバル!/がんばれいわ!!ロボコン」を取り上げたいと思います。見て分かるとおり、複数の作品を同時上映でお届けする仕様で、「人体のサバイバル!」という、元は韓国で刊行されている児童書シリーズの一編をアニメ化したもの、古くは昭和のテレビドラマ「がんばれ!!ロボコン」から続く特撮ドラマの新作、そしてここには載ってない「スプリンパン まえへすすもう!」という短編CGアニメ、この三本から成っています。というか、あまりにも前面に出さないせいで、スプリンパンの存在が完全に失念していて、思わぬところでダメージくらったわ・・・。


 さてさて、前置きはこの辺にして、一つ一つピックアップして、取り上げさせていただきたいともいます。


1.「がんばれいわ!!ロボコン」
 個人的に、一番気になっていたのがこの作品で、上映順的にこれがトップというのがちょっと意外でした。ただ、一方で気になる話があって、それがネットでの怪文書というか、見に行ったと思われる人の感想が、あまりにも理解不能という点。そもそもの話、サブタイトルがかなり不思議で、「ウララ~!恋する汁なしタンタンメン!!の巻」と、ここだけ見ても何なのか分からない感じ。なので、普通の人なら、ここで興味から外れるところなのですけど、あえて特攻してみましたよと。

 そして、ここからはいよいよ内容について。すごく簡単にまとめると、人間側の主人公の家(中華料理屋)に墜落してきたロボコンが、出前の担々麺の汁を丸々飛ばして、汁なし担々麺(≠本来の汁なし担々麺)を開発したところ、それがうっかり意志を持って、意志を持った 他の中華料理を相手取って世界征服に乗り出そうとする・・・だめだ、うまく言語化できない。それもそのはずで、脚本を担当した浦沢義雄さんといえば、前作「燃えろ!!ロボコン」にも参加された脚本家と、公式では説明されてますが、特撮ファン・アニメファン的には怪作ばかりを手掛けるライターとして知られている人。わかりやすい例を言えば、放送から20数年経過した今なお異色を放ち続ける戦隊「激走戦隊カーレンジャー」、原作者でさえ今や再現不能と言わしめる「ボボボーボ・ボーボボ」、これらを担当していた方ですね。
 なわけで、そちら方面の知識に明るい方からすれば、脚本家の名前を聞いた時点で絶対まともな作品が来るはずがないのは明白なわけですが、まあ開始早々謎の勢いを感じる映像作りで察しましたね。ただ、終わってみたら、これは本当ジャブみたいなもので、「トルネード婆々」というパワーワード、鈴村健一ボイスの汁なし担々麺がチンゲン菜を通じてロボコンの乳を吸う、顔だけが巨大化するロビンちゃん、そしてEDで唐突に加わる石田監督 と、次から次に意味が分からない展開が盛り込まれていて、これは間違いなく怪作。決してつまらないわけじゃないですが、内容を理解できるのは重度のサイコパスくらいではないかというレベルに、脚本がキマってるので、そこだけは注意。ちなみに、監督曰く、これを足掛かりに続編を作りたいとのことですが、毎週このテンションでやられたら、視聴者の心が持たないので、もうちょっと加減していただきたいところ。


2.「スプリンパン まえへすすもう!」
 続いてはこちら。これに関しては完全にノーマークで、ロボコンが終わって、一体何を見せられたんだという感がすごかったです。話の内容的には、一人の女の子が旅に出た先で「山どん」と「リンゴリーダー」というよくわからない妖精と出会って、ひと時一緒に旅をする という、ある意味ではすごいオーソドックスなプロットなのですが、とにかくロボコンの意味不明なノリを引きずった状態でこれを見るのがあまりにも辛かったです。多分、この作品との抱き合わせじゃなければ、「なんじゃこれ?」って言われるだけで、良くて空気アニメと言われる程度で済んでたはずなのに、「山どん」と「リンゴリーダー」の存在がロボコンのテンションを引きずって、狂気じみたものに写ったのが良くも悪くも作用してしまったのかなと。いや、普通に考えても、「山どん」と「リンゴリーダー」は明らかにおかしいキャラクターだとは思うんですが、本質的にミュージカルアニメを志向してた作品なので、毒気で中和されてた感はあるんですよね。それが、ロボコンという狂気のせいで、毒気が強まってしまって、結果として虚無感と狂気のダブルパンチ状態で、正直ロボコンよりもしんどいという。いやあ、なぜこれを混ぜてしまったのか。


3.人体のサバイバル!
 最後がこちら。こちらに関して、上でざっと説明しましたが、韓国で主に刊行されている「サバイバルシリーズ」という児童書シリーズの一編からのアニメ化で、これが第17作目の話らしいです。内容的には、主人公の男の子が、うっかり事故でマイクロサイズに縮むメカに乗ってしまって、はずみでヒロインの身体の中に侵入したところ、ヒロインが重大な病気を患ってるのが発覚して、中から治療を試みる、おおよそこんな話。児童書が原作なので、キャラの設定とか造形自体は思いっきり子供向けなんですが、その前にやってたロボコンとスプリンパンとの対比で、ものすごい真っ当な内容になっていただけで普通に面白いという。いや、実際問題としても、子供が見て分かるように作られてるってだけあって、情報の出し方がすごい丁寧で、普通にためになる内容なんですよ。「はたらく細胞」のアニメが出来が良かったから教材に使われたとか、「トリコ」のマクロファージの知識が正確だったから賞賛されたとか、その辺と並ぶくらい内容はしっかりしています。それでいて、主人公のジオくんがいい意味で暑苦しいキャラで、クライマックスでの頑張りは手に汗握りました。「小学生は若おかみ」でもショタ役やってた松田颯水さん、こっち方面でいけるやん!


 とまあ、こんな感じですかね。よもや、ロボコンを見に行って、こんな惨状になるとは思わなかったのですが、何だかんだでバランスのとり方は上手いなと言うのが総合的な感想ですかね。ロボコンが約15分の内容で狂気を詰め込んで、スプリンパンもだいたい5~10分で虚無タイム、人体でサバイバルが残り1時間使って浄化していく、中々隙がない。ただ、これをお勧めできるかというとひどく疑問で、見るなら一通り覚悟しないと持ってかれるのは確実。なので、見るにあたっては、心の準備だけはしっかりしておいてください。