どうも、管理人でございます。どういうわけか、深夜テンション(書き始めたのが24時半くらい)で書き始めたんですが、出来ればサクッと書いてみたい所存(結局、日を改めて書き直しましたw)


 さてさて、今月の更新ですが、今回はやや久々にライトノベルの紹介ということで、小学館ガガガ文庫より刊行されている『ホラー女優が天才子役に転生しました ~今度こそハリウッドを目指します!~』という作品を取り上げたいと思います。しかし、作品を知った段階では全然知らなかったんですが、これなろう連載なんですね・・・。


 そんなわけで、さっそく感想とあらすじを。話としては、かつて一世を風靡したホラー女優:桐王鶫。彼女は不慮の事故で若くして亡くなってしまうのですが、その死から20年後、彼女は空星つぐみ(5歳)の心の中で再び目を覚まします。そして、つぐみが両親から受け継いだ容姿と才覚、鶫だった頃に会得した技術を以て、子役としての道を歩み始める 、およそそういう話です。何か若干盛ってるような書き方になってるようにも見えるかもしれませんが、諸々の作品解釈込みで説明すると、だいたいこれで合ってるはず・・・ですが、「全然ちげえぞ、ごらあ!」って思ったら、リプライでもTwitterでも文句言いに来てください(そうしないと気づかないので)

 でまあ、この作品の感想というか、魅力についてなのですが、すごく端的に言うと、主人公:つぐみ の前世であるホラー女優:桐王鶫 と、生前彼女と親交のあった人物たちの関係性と、今世のつぐみが出会った人物たちの関係性、この両者が微妙に交わりつつも、並行して描かれているという点。知っての通り、鶫はすでに故人なのですが、死んでから20年後の世界ということで、生前のことをよく知ってる人物も少なくありません。その筆頭であるのが、今世では日本を代表するトップ女優の一人である霧谷桜架。彼女の場合は子役時代に鶫と交流があって、その成果が今の彼女を形成したといってもいいです。今発売されている2巻時点だと、何やら感情を拗らせているような描写がありますが、それだけ強い想いを抱えていて、それ故に読んでてぞくっとしました。(ちなみに、そのあとの話を読み進めると、また印象が変わるかと)。
 そして、もう一つの軸である つぐみの話。彼女の場合は、かつて鶫が獲得した技術や経験を生かして、子役離れした怪演を見せつけるわけですが、それが周りに熱を与え、世界に引き込んでいく様が実に熱いです。特に、彼女とはオーディションで知り合った子役の3人。彼女たちも実力派俳優・女優の子女で、才能は確かなのですが、つぐみの演技を認め、親交を結ぶこととなります。基本的には子供同士、仲が良さそうに戯れている様子で非常に眼福ではあるものの、一方でライバルとして、それぞれの立場でつぐみに対する意識を燃やしていく、これが熱いです。

 で、ここで特筆しておきたいのが、つぐみの立ち位置。一応あらすじ紹介のときに軽く触れましたが、つぐみと鶫の関係というのは若干ややこしくて、本来の「つぐみ」としての人格と、後から覚醒した「鶫」の人格、この二つが共存した形になります。ぶっちゃけ、1巻を読んだ時点ですと、「鶫」の人格が前面に押し出されているかのような印象を受けるわけで、おそらく作者もそれを意図した書き方になっているのですが、実際のところは「つぐみ、時々 鶫」、これが正しい構図。それがはっきりとした形で描かれたとき、ぞわっと来ました。マジですっかり騙されてて、やられました・・・。


 とまあ、こんな感じですかね。元々、演劇をモチーフにしてるというところで、上手く作れば化ける要素はかなりあったんですが、その期待度を超えて、めっちゃ面白かったです。特に、先日発売された2巻が1巻よりも面白くなっていて、これから跳ねるのが期待できそう。ガチでおすすめです!!